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40で生まれ変わる

鷹の選択…鷹は40年以上生きると、何もせず死ぬか、自らクチバシを折り爪をはぎ羽根を抜いて生まれ変わり30年生き延びる。自分も40才を超え、今のままでは生きていけないことを悟り、起死回生をしなければ…

篠田桃紅さんの「一○三歳になってわかったこと」を読んで。

読書 趣味

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篠田桃紅さんの「一○三歳になってわかったこと」を読みました。
170頁で文字数も少ないので、遅読の私でも3時間弱で読めました。

やはり、思っていたとおり、「一人賛歌」というわけではありませんでした。
自由に生きること、やりたいようにやることが一番なのだな と。
どの言葉も覚えておきたいくらい。一冊手元に置いて、行き詰ったら開きたい。

100歳を過ぎ、達観したからこそ、俯瞰した広い視野で見えているので、若年者の私にはまだ達し得ない(共感までは至らない)部分もありますが、年を得るたびに見えてきて共感していくことが増えるかもしれません。
90代の頃と100歳を過ぎた今とでは、考え方が変わったそうです。
生きている限り、変わっていくのかもしれません。
そう思うと、年を取ることも、楽しみでもあります。
確かに、若いときよりも、いろんなことが見えてきて、過去や人に対する思いも変わってきています。

中でも、今の私に響いた言葉を抜粋します。

 

■一人について。

p16
「自らに由れば、人生は最後まで自分のものにできる。」
…意に染まないことはしない、無理もしない。

p19
「自らの足で立っている人は、過度な依存はしない。」
…そもそも介入しない、期待もしない、負担にならない。

私は24歳で実家を出てから、ずっと一人で暮らしていますが、孤独を当たり前だと思っています。一人の時間は特別なことではなく、わびしいことでもありません。誰かが一緒にいないと寂しくてたまらない、と思ったこともありません。ごく自然に、一人でいることを前提に生きてきました。
また人に対して、過度な期待も愛情も憎しみも持ちません。そもそも、人には介入するものではないと思っています。

 「人」という字は支え合っているのではなく、元々「一人」で立っている(横向きで手を前に出している)
 ※金八先生の話はウソというか単なるこじつけだったんですね^^;

p22
「自分という存在は、どこまでも天地にただ一人。」
…自分の孤独を、客観視できる人でありたい。

p83
「予定や目標にとらわれると、ほかが見えなくなる。ときには、その日の風まかせにする。」
…自分に規律は課さないし、外からも課せられない。

p98
「私の場合は、こうなりたい、と目標を掲げて、それに向かって精進する、という生き方ではありませんでした。自由を求める私の心が、私の道をつくりました。すべては私の心が求めて、今の私がいます。」

p101
「根は、他者にあるのではなく、その人自身の一切だと思っています。」
「養分を吸収して支えるのは、自分という根っこ。」
…私が今まで触れたすべてでできている。

p170
「自分の心が一番尊い、と信じて、自分一人の生き方をする。」

 

■芸術家として、作り手としての心構え。

p117
「知識に加えて、感覚も磨けば、ものごとの真価に近づく。」
…虫が知らせる、虫が好かない、を大切にする。

p141
「少女時代に読んだ文学は、今でも、時折、思い出すことがあります。そのころの私に、なんらかの影響を与え、私も、共感を覚えたから…」

※これは、響いたというか、少し前に(例の)気になっていた人から同じようなことを言われたからです。
私が「小説を読んでもそのうち忘れてしまう。そのときはおもしろく一気に読めたのに、今では結末すら覚えていない。むしろ、部分的なイメージやシーンは覚えているのに、結末をいつも忘れてしまう。読む意味があるんだろうか?」と言ったときにこう言われました。
「読んでいるときにおもしろければ楽しめればそれでいい。小説も娯楽だから。子供のときに読んだ絵本でも、心に残っていることはあるでしょう?それはそのときの自分になんらかの影響を与えて、そのとき共感したから心に残った。そういうのがたまにある。それでいい。」と。
それが自分の中でもしっくりと腑に落ちて、それから本(小説)を読むようになりました。
以前みたいに「しっかり頭に入れないと」というような気負いがなくなり、さらさらっと読むスピードも若干速くなりました。
以前よりも案外内容も覚えている気がします。読むこと(理解)よりも、「どう感じるか」(感覚)に意識が集中できるからかもしれません。

p146
「身を挺して、悩み苦しみを書き著わした天才・芥川と太宰。」
…人はどう生きるべきか、永遠のテーマで正解はない。

 

■人生の拠り所。

p154
「時宜に適って、人は人に巡り合い、金の言葉に出逢う。」
…医者の「治りますよ」で、私は死病から生還した。

p165
「我が立つ杣」「わが立つそま」
「人生は山あり谷あり。ようやく平地を得たとき、感謝して大事にする。」
…どんな斜面にも、つかのまの安心できる場所がある。

 

歳相応という言葉がありますが、人を批評するのに年齢はたいへん便利な言葉です。私は歳には無頓着です。これまで歳を基準に物事を考えたことは一度もありません。何かを決めて行動することに歳が関係したことはありません。自分の生き方を年齢で判断する、これほど愚かな価値観はないと思っています。


・・・他にもたくさんあるというか、全部が金言です。
かといって、難しくもなく、普通のことです。
自分も同じように思っていたことも多々ありました。

「それでよい」と言ってもらえているような安心感。

これからどうなるかはわからないけど、そのときそのときを自らに由って、人生を最後まで自分のものにすること。
それがすべてなのでしょう。